【書評】『発達障害サバイバルガイド』に学ぶ、暮らしを豊かにするライフハック6選
よりラクに、より幸せに生きたい
これは誰しもが願っていることだと思いますし、私自身もかなり強く願っています。
そんな方々にぜひ手にとっていただきたいのが、発達障害の当事者である借金玉さんが著した『発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』という本です。
本著は発達障害に悩んでいる方やその身近にいる方が想定読者ですが、当事者の自覚がない方にとっても、日々の生活を豊かにするヒントが詰まった一冊になっていると思います。
今回は、その中でも特に私が気になり、実際に生活に取り入れたライフハックと感想を紹介していきたいと思います。
特におすすめしたい方
① 日々の生産性を高めたい・家事を最小限にしてQOLを上げたい方
本文中のライフハックは、時短・自動化を叶える有用なものが多いので、参考になる部分が多くあると思います。
② 発達障害の傾向やうつ病の経験がある方
動けなくなっている時でも、ある程度生きていけるようになるライフハックに助けられることが多いと思います。
③ 身近に②のような方がいる方
→上記のような理由で動けていない人は、周りから見るとただサボっているように見えることも…。そんな人々の行動原理を知り、家の中の動線を工夫する等のヒントが見つかるかもしれません。
本著の概要
本著は、普通の人が「あたりまえに出来ること」が苦手な人が、「よりラクな、より快適な、より優雅な」生活を送るためのサバイバルガイド、というコンセプトです。
上記のコンセプトのもと、意志の力ではなく、自分の外側という環境に対してシステマティックな仕組みやルールを設定することで、幸せに生き延びるライフハックを8つのテーマ(生活環境、お金、習慣、在宅ワーク、服、食事、休息、うつ)ごとに紹介されています。
ーお金、うつ、習慣、設備、服、食事、人間関係……発達障害当事者が自らの壮大な失敗談と共に語る「普通じゃないけど使える」ハックが満載! 発達障害ではなくても、生きづらさを感じている人、忙し過ぎる人、うつの人などにも役立つ内容です。「なんだか人生がうまくいかない」と思ったら読む世界一意識の低い自己啓発書。(本著商品説明より引用)
実践してみてQOLが爆上がりしたライフハック6選
今回は、本著の中でも特に実践してよかったと感じるライフハック6選を紹介します!
1.睡眠、食事、労働時間、スケジュール管理の電子化
自分の状況を半自動的に記録し、客観的に数字で振り返りやすいよう、上記の記録は全てiPadのノートアプリに記録用のテンプレを作成し、記録しています。
ゆくゆくはApple watchを購入して、睡眠アプリ等で記録の自動化をしていけたらと考えています。
2.お風呂のエンタメ化
うつ傾向が強かったときは特に、お風呂に入ることにものすごい心理的ハードルを感じます。
(お風呂自体は大好きなのですが、仕事や夜ご飯が終わっていても、深夜1時くらいまで動けず、ようやく重い腰を上げて入ることも…)
本著では、お風呂のモチベーションを上げる方法の一つとして「お風呂のエンタメ化」を提唱しています。
なので、ラベンダーのエッセンシャルオイルを使用したり、エッセイ・短編集のような軽く読める本を持ち込んだり等の工夫をしています。
CBDバスボムやクナイプのバスソルトも気になっているので、お風呂のエンタメ化の度はまだまだ続きます。
3.ランドリーバスケットの活用で、たたむ時間を大幅削減
元々我が家にはドラム式洗濯乾燥機があるので、洗濯の仕事量はそこまで多くありませんでした。
しかし、本著では「たたむ」「収納する」の徹底排除が提唱されています。
そこで部屋着・パジャマや靴下等、たたむ必要がない衣類は、たたまずにそのまま引き出し収納にぶちこむようにしました。
(靴下用には、引き出し内を仕切って靴下専用スペースを設けています。)
元々普段着はドラム式洗濯乾燥機→浴室乾燥でシワを伸ばしてそのままハンガーごと収納していましたが、その他の衣類についても「たたむ」という行為をしなくて良いことで、洗濯の楽ちんさがさらに増しました。
4.完全な休日は、家の外1個+家の中2個のコンテンツで、良質な現実逃避をする
著者は「休む技術」が人生の最重要要素だとしています。
意識の高いヨガや運動、創作等ではなく、完全にオフになる純度100%の休日が、月に2-4日必要であるとしています。
純度100%の休日をバレットジャーナルに書き込み、その中ですることをリスト化することで、オンオフの切り替えをつけるようにしたところ、日々のメリハリが増しました。
5.仕事・勉強前の「儀式」でサボりたい気持ちをリセット
お昼休み後に仕事に取りかかる時、資格の勉強をする時、なかなか動き出せない時はありませんか?
私も、スイッチが入るのがはちゃめちゃに遅く、休日の資格勉強の際に、夜の20時頃から慌てて勉強に取り組むこともありました…。
そんな時、「よしやるぞ!」というマインドセットに切り替えるため、「儀式」を導入することが有用であると本著では記載されています。
私自身はなにか作業を始める前に以下の儀式を採用しました。
- オレンジとグレープフルーツのブレンドオイルをアロマストーンに垂らす
- 「集中」というポモドーロテクニックを活用したアプリで25分作業+5分休憩のサイクルを強制的に組み込む
- 作業を邪魔しないような音楽を流す(例:無印良品のBGM、ドラマやアニメのサントラ、本当に気乗りしないときは好きなK-POP等)
- 音が気になる時はイヤーマフを着用する
儀式について気になった方はぜひ、「発達障害の僕が発見した「仕事になかなか着手できず、だらけてしまう」の根本原因」という記事を読んでみるのもおすすめです!
6.娯楽としての技術的習熟(=教養を身につける)により、お金をかけずに生活を充実させる
「多くの楽しさは、技術的習熟の先にしかない」(p.244)
まさに読書や語学学習、コーチングの学習を通じて、私自身が日々体感していることです。
本文中のこの言葉は、学習をサボりたくなるときに自分に言い聞かせていこうと思います。
感想
著書である借金玉さんは、前著の『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』以来のファンです。(こちらもすごく良かった)
当時、本の感想をTwitterに投稿したところ、借金玉さんご本人にRT人いただき、100RTのプチバズを経験したことが懐かしまれます。
この本はこのページで完全に信用した pic.twitter.com/rC8eKooLdj
— Chika (@chika_blooming) November 6, 2019
借金玉さんほどの苦労はしていないかもしれませんが、実は自分にもグレーゾーンな部分やうつ病の既往歴があり、境遇が近い借金玉さんの体験談とライフハックは、目から鱗どころか魚一匹出てくるレベルの感動と納得感がありました。
少しでも今よりラクに、快適に生きたいと考えているすべての方に読んでもらいたい一冊です!